2023-11-11-Sat
今回は製造記録ではなく(いつもは「製造記録」なのか…?)、第5回ダルメインWorldマーマレードアワード&フェスティバルin Japanの表彰式&レセプションに行って参りました!の、ご報告です。
ダルメイン〜ってなんぞ?という方は、こちら↓とか
どんなものを出したのか?は、こちら↓とか
それで結果がどうだったのか?は、こちら↓とか
ご参照くださいませ。
金賞受賞者にはだいぶ前に表彰式の案内が届いていて、しかし店主個人のスケジュールがはっきりしないため、お得意の判断先延ばしをキメていた。なかなか八幡浜まで行く決め手がないのである。表彰式とはいえ、賞状ならすでに郵送で頂戴している。また、前回書いたように残念ながら現状ではたくさん宣伝してどんどん製造を増やして事業を拡大、というわけにもいかない。そうなると、どうしても行かなければ、というモチベーションはあんまり無い。実際問題、金賞受賞者が全員参加するわけでもない。などとウダウダしつつ結局締め切りギリギリに「出席」で申込み。最終的な判断理由は、5月のイベント〜
〜でお世話になった方もいらっしゃるはずなので、ご挨拶はしたいな、というお気持ち。別に考えてどうこうなるものでもないのだから、どうせそうなるなら早く決めて返事すればいいのに、各方面に大変申し訳ねえ。
よし、せっかく行くなら行くで楽しもうーとは思いつつも、八幡浜である。いや、もちろん八幡浜は何も悪くないのだけど、現在地からの距離がなんともアレである。しかも八幡浜以外を観光するような時間はあんまり取れそうにないしなあ。行きの飛行機ギリ取れた便には始発電車乗らないとだし…
などと、決めたあとも行くまでは正直申し上げてけっこう腰が重かった。すみません。
で、案の定行ってみるとめっちゃ楽しい。あー、そういえば2年前にアマチュアで行った時もそうだったわ。あの時は知人もいない中ひとりで恐る恐る行ったけどやっぱりめっちゃ楽しかった。今年は「前回ご挨拶したジャム仲間」とも再会できたし、イベントでお世話になったジャム屋さんにご挨拶もできたし、より楽しい時間でした。
表彰式&レセプションなので、そもそも「楽しい」ことを求めるものではないかもしれない。「お偉方」もたくさん出席されている行事である。その場は堅苦しくてもひとまず取り繕って、きちんと表彰されて写真なども撮られ「きちんと表彰された」という事実を残せれば良い。
しかし実態は、プロアマ問わず「ジャム屋」同士あちこちでわいわいと盛り上がりっぱなしである。初対面同士という面々も少なくないはずだが、何しろマーマレードが好きでマーマレードを作る人間ばかりを集めたのだ、マーマレード談義が止まらない。
…は?マーマレード談義?何をそんなに話すことがあるの?と思われるかもしれない。まあ、わかっていただける気が全くしないのだけど、マジでみんなでずっとマーマレードの話してる。ほんとうに。いや確かに冷静になって思うと異様な空間ではある。
マーマレード界隈の「外」の方とマーマレードの話をすると、「こうやって作るんですよー」「へえー」「こんな材料がありますよー」「へえー」「ここが難しいんですよー」「ふーん」みたいに一方的になりがち。話術を工夫せえよ、と言われるとぐうの音くらいしか出ないが、まあ多くの場合は相手も面白マーマレードトークなんて期待してないのである。
これがジャム屋同士だと「こうやって作るんですよー」「へえーウチはそこはこうするんですよ」「へえーそこはそうするとこうなるじゃないですか」「それはこれをこうするんです」「それはウチではこうしてますね」「なるほどそれは…」「いやでもこれが…」「そうすると…」「」「」……みたいになる。初っ端のトピックからこれである。話術など関係ない。さらに、受賞者のなかには本業がみかん農家さんという方もいたりして、当然ながら生産現場にも話題・興味は尽きず、終わる気配がない。
自分がこんなにも「マーマレード談義」を欲していたことに初めて気づく。そう、基本的にジャム作りは孤独なのである。一人で作る人が多いのはもちろん、製法やスタイルもそれぞれ。それぞれであるからこそ、自分のやってることが間違ってない、というかみんなやってることが違うので自分は自分のやり方でええんやな、ということを確認して、またお互いのリスペクトを深めつつ、それぞれのキッチンへ帰っていくのだ。
そんな感じで11日の式典は幕を閉じ…おや、表彰式やレセプションで何が行われたか全く触れてないな…まあいいか…
↑こんな感じです。
さて、翌11月12日の日曜日は八幡浜港の道の駅「みなっと」において「八幡浜産業まつり」が大々的に開催。中央ステージのプログラム冒頭、マーマレードアワードのステージでは「プロ部門のベストカテゴリ賞」「アマ部門のグランドプライズ賞」合計4名の表彰式。5月の試食イベントでお出しした「JAM OBASAN」もいらっしゃいましたよ!拍手〜!
午後には、会場内でマーマレード講習会や審査員による講演会・講評会!があったのだけど、私は飛行機乗って帰らなくてはならないので、昼過ぎには退散。余裕あればもう一泊してゆっくりしたかった…。
ということでこの日、私個人は特に用事がなかったので、表彰式後は帰る時間まで八幡浜産業まつりの出店などをぶらぶら見学。事前から楽しみにしていたのが「金賞マーマレード販売ブース」。もちろん買う側として。
「このブースのためにマーマレードを送ってほしい」との事務局からの依頼で、当店の「ライム&ブラムリー&ラムレーズン」は納品済み。他店からもたくさん来てるだろうから、ジャム屋以前にいちマーマレードマニアとしては垂涎ものである。当店も大概だが、製造数が少なかったり、そもそも地元の店頭以外で販売していないというお店も多いので、ここでないと手に入らないマーマレードなんかもあるに違いない。
いそいそとブースに向かって行くと、見よ!この通り!錚々たる!!
すっっっからかん!!!
…遅すぎた…まさかそんなにマーマレードを買って行く人がいるとは。いや、そうだった、この日の八幡浜は全国からマーマレード好きが集まっている異常な空間なのだった。とはいえ前回も販売はあって、その感覚だともう少し残っているかと思ったのだけど、この2〜3年でマーマレードアワードの知名度、金賞受賞の権威も上がっているのかもしれない。
あっおかげさまで当店マーマレードも完売しておりました!ありがとうございます!!機会があればぜひ感想などお聞かせくださいませ。
金賞マーマレードがすっからかんでがっかりしましたが、他にお店で買ったり頂戴したりした分が〜
〜これだけあるので抜かりはない。また食べた感想レビューなどしたいと思います!
2023-10-01-Sun
ご無沙汰しております。本日製造日。
「ご無沙汰してます」みたいなことを毎回言ってるような気がする?それはもうその通りで、製造頻度が激減しております。申し訳ない。
本業がじわじわと忙しいのに加えて、1年やってみての先の見通しなどもあり、なかなかキッチンに立てずにいる。身も蓋もない言い方をすれば「最近ちょっとしんどい」ということで…要は持続可能な体制が構築できていないということだが、詳細に言い訳するのもなんだかなあ、しかし何も言わずに自然消滅するのもアレなので、最近ちょっとしんどい、とだけ申し上げておきます。
しんどくならない程度にボチボチ続けていきたいとは思ってるので、今後ともよろしくお願いします。消滅したらそういうことだと思っていただき、あるいはジャム作ってたらそれはしんどくない程度なのでご心配なきよう。
ということで、しんどくない製造日に作るラインナップはこちら。
・ライム&ブラムリー&ラムレーズン
種類が少ないのは、多いとしんどくなるからですね。
・ライム&ブラムリー&ラムレーズン
マーマレードアワード金賞のこれはさすがに外せないでしょう!というのはもちろんだが、何より、今の季節しか作れないので。
材料をミックスして作るジャムやマーマレードで難しいポイントのひとつは、いかに材料を揃えるか。たいていのジャムの材料は当然ながら農作物なので、手に入る期間が限られていることが多い。もちろんいつでも手に入る果物だってあるが、それは需要が極端に多く貯蔵や温室栽培でもメリットが出るもの。普通の果物の、さらに特定の品種に限定すると、出回るピークが1週間しかないなんてことはザラである。
また、手元で冷凍なりできればそれも良いのだが、冷凍に向かない材料も多いし、そもそもそんなに大きな冷凍庫が無い。
ブラムリーもライムも、9〜10月の、さすがにそろそろ残暑も終わって本格的に秋に近づいてきたかも?くらいが旬。ブラムリーはほんとに見つけたら即買わないと手遅れになるし、ライムはまあ柑橘なんで年明けまで収穫はできるけど、色と香りと酸味が鮮やかなのはやっぱり秋。だからこのマーマレードはこの時期にしか作れない。
ラムレーズンは、もちろん、旬も何も無い。が、自家製で漬け込んだものを使っているので、そうすると今度は「実際に作る時期の半年前」くらいには仕込んでおきたい、といった段取りが発生する。なお今回は「昨年このマーマレードを作るために、その半年前に漬け込んだもの」の残りを使っているので、約1年半ものです。そのぶん、昨年の金賞マーマレードとも味わいがちょっと違う、かも?
自分で言うのもなんだけどこのマーマレードはめっちゃ美味しくて、たぶん初めて食べる人は全員「ジャム観を覆される衝撃」を味わうと思ってる。初めてじゃなくても、ていうか作った自分も瓶を開けるたびに「うっっっま!!」ってなってる。
なお、こちらのマーマレード、少数ですが11月12日に八幡浜市で開催されるマーマレードフェスティバルでも販売される予定です!
https://marmalade-festival.jp/event/6157.html
ラウンデルシール貼ったよ!
おおっとそしてこちらは新作!
洋梨の風味が好きで洋梨煮たい欲は強いのだけど、洋梨単独で美味しいジャムを作るのは、すっっっごい難しい。いちばんは材料。適切な品種を選び、丁寧に追熟をする必要がある。そして、品種選びと追熟は、いまの当店のスタイル、つまりレンタルキッチンでの製造とはとても相性が悪い。狙った品種が出回る時期と、それを追熟する期間を狙って製造日を決めなければならず、ちょっとリスクが大きい。しかも、いい感じに熟して香りと甘みの立つ洋梨は、今度はけっこう刻むと変色しやすかったりして、きれいに煮るには加工のノウハウも必要。というわけで、お店できれいな美味しい洋梨ジャムを見つけたら、それは買いです。
今回の品種はバートレット。ザ・洋梨という見た目で、味や香りも特別に秀でているわけではない、とっても一般的な品種。しかし、果肉が柔らかすぎず変色もしにくい、つまりすごく扱いやすいという、ジャム煮好きする性格の子です。こんな僕でも受け入れてくれる優しさ。
その、バランスの良い風味と食感を活かしつつ、いろいろとアレンジし甲斐がある。ルバーブを使ったのは風味をどうこうというよりは、色がきれいになるのでは?という発想。洋梨に対してやや少なめに合わせることで、かわいいピンク色の仕上がりに。
しかし洋梨とルバーブだけだとそれぞれが単調に主張する感じになってしまうので、赤ワインで深みを、ライム果汁でスパイシーさを加える。
おっ、これはなかなかオシャレな雰囲気にまとまったのでは?かつ万能感(何にでも使えそうな感じ)があってよろしい。
なお、こういうかわいいピンクはとても褪せやすいので、賞味期限を気にせずお早めのお召し上がりをおすすめします!
2023-07-02-Sun
本日製造日。
と、その前に、昨日の7月1日が何の日かご存知でしょうか?ご存知ですね?
そう!
ジャムびよりの!
『販売1周年記念日』
です!
わあぁ〜パチパチパチパチパチパチ〜
👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏
昨年2022年7月1日に、埼玉県小川町の「薪をくべる」さんに商品を並べたのが、ジャムびよりの第1歩。
思えば遠くへ来…てはなくてそこから3歩くらいしか進んでない感覚ではある…。しかし3歩でも進めたのは、買ってくださる、そして喜んでくださるお客様がいるから、に他なりません。なかなか直接お礼を申し上げる機会はないので、この場であらためて。
ありがとうございます!
で、振り返ると思ったよりたくさんの種類のジャムを作ってきたなあと我ながら感心するのだけど、その中でも我ながらイケてたなと思ってるやつ、
・白桃ローズマリー
・オレンジ&カシスリキュールマーマレード
これが今日のラインナップ!
先に断っておきますが、今回こちらのネット販売は極々少数です。というのも、贈答用の大量注文をいただきまして、たくさん作りはしたのですが、ほぼ全てそちらにお送りするので!ありがとうございます!
レシピは昨年といっしょ。結構、なんかちょっと混ぜたい、ライムとかミントとかテキーラとかラムとか…という思いが湧き上がったのだけど、我慢。キウイとパッションフルーツと砂糖だけでこんなに美味い、というのがこのジャムの凄味でもあるのだ。やや奇異を衒ったような雰囲気に反して、何にでも合うバランスの取れた味わいと香りに仕上がる。
キウイはニュージーランド産、パッションフルーツは鹿児島県の奄美大島産。キウイはもちろんだけど、パッションフルーツも最近は近所のスーパーにも並んでるくらい手に入りやすい。育てやすいらしいし、輸送もしやすそうだから流行ってる(生産が増えてる)のかな?少ない量でも香りがしっかり主張するし、中身を集めて冷凍保存できるので、ジャムの材料としてもとても優秀。ご興味あればご自身で作っていただいて色々カスタマイズも良いですね!
さて、贈答用、といったのは、じつはご結婚パーティのギフトという、大変におめでたい!しかし作る方としては大変に荷が重い!でもジャムびよりを選んでいただき大変にありがたい!嬉しい!がんばります!というご依頼。
ところで結婚式といえば何かと忌みアイテムなんか気にするところであり、ジャムの材料として不適切なものはあるだろうか?というのが、ラインナップを決めるにあたって最初に考えたこと。
ところが、当方そういうことをあまり気にしない(気にできない)タチなので全く思い当たらない。しかし当事者は気にするかもしれない。まあご本人に聞けばいいかということで、季節的に手に入る材料で作れそうなものをこちらから提示して、選んでいただいた。
そうして決めた3種類なのだけど、「ゴールドキウイ&パッションフルーツ」は、うーん…。いや候補に入れたのは店主なのだけど、しかも敢えて何も言わなかったのだけど、「パッションフルーツは…どうなんだろう…」とちょっと心配になってる。
だって、パッションフルーツは「受難の果実」なので…。
情熱の果実じゃあないんですよ、受難の果実なんですよパッションフルーツ。パッションの意味するところが「情熱」か「受難」かで、結婚式に向く向かないが正反対なんだけども、見事に向かないほうである。
詳しくは昨年のこちら。
まあ「植物として、果実として忌みもの扱いを受けている」というわけでは全くないから問題ないか。大玉の生パッションフルーツなんか贈答用の高級フルーツである。だいいちパッションが何かなんて黙ってりゃ知らない人が多数かな。
と言いつつ、ご依頼いただいた方のお仕事柄的に、ゲストの方にもパッション=受難がそれはそれでネタとして解釈していただけそうでもあるので、ここに書いておきました。何はともあれ美味しいし!Sehet!
・白桃ローズマリー
昨年作って自分でめっちゃ気に入って、せっせと作ったレシピ。
これとか↓
これとか↓
「ももローズマリー」でなくて「白桃ローズマリー」に表記が変わってるが、特に大きな意味はなくてこっちの方が視認性がいいな、くらいなので気にしないでください。呼び方はももローズマリーの方がかわいいと思ってる。
毎年言っているのだけど、桃は砂糖で煮てこそ美味。買うとちょっと高いので、せっかくなら生食したいという気持ちはものすごく理解するが、砂糖で煮ることで渋みが抜けつつ香りが立つのである。
さらに、桃と砂糖だとやや甘ったるくなりがちなところ、ハーブを加えることで引き締まる。とはいえ、桃の香りとの馴染みが良いのでクセとは感じない。ローズマリーをけっこう利かせてるつもりだけど、子供でも気にせず食べてる。
白桃ではなく「あかつき」や「まどか」などの赤みが強い品種を使うと、かわいいピンク色のジャムができる。しかしジャムのピンク色は室温におくとかなり退色しやすいので、ちょっとお店では作りにくい。自宅用に作って並べて愛でるのにはとっても良いです!
あ、ちなみに、固い桃は思ったより煮崩れないので、煮るならジャムではなくコンポートにするのがおすすめ。コンポートでもハーブ入れたら美味しいと思う。
・オレンジ&カシスリキュールマーマレード
ジャムびよりのアルコール入りシリーズ「Festiono」の中でもわかりやすく美味しいやつ。カシオレ。こちらもレシピは昨年と同じ。
国産のバレンシアオレンジはさすがに手に入りにくい。近所のスーパーでは見かけないし、さらにシーズンが夏なので、忘れやすい。いや、そこはオレンジは悪くなくて忘れるのが悪いのだけど、通常の柑橘シーズン、マーマレードシーズンはせいぜい5月くらいには閉幕なので6月から収穫と言われても頭がすぐにはついていけない。しかも収穫されるバレンシアオレンジは、このシーズンではなく、前シーズンに実ったものを1年以上樹上で熟させたもの、らしいですよ?もちろん放ったらかしにするわけでもなく、とんでもない手間だな?
そういう果実なので、ちょっと高めではあるが、皮は柔らかく、果汁はたっぷりとあくまでも甘く、香りも良い。搾るとそのままゴクゴク飲みたくなる美味しさ。
しかし柑橘の「柔らかくて甘い」は、あまりマーマレードには向かない。マーマレードには固さを作るペクチンと、そのペクチンを固める酸が欠かせないからである。向かないのだけど、でも絶対美味しいのでなんやかんや上手い事やって仕上げてます。
Festinoシリーズ、「ハレの日用」として作り始めたものなので、ほんとにハレの日に登場することができて何より!もちろん何でもない日でも、ひとくち舐めればお祭り気分!
2023-05-28-Sun
マーマレードアワード金賞受賞記念!
ジャムびより試食販売会
&
金賞受賞ジャム屋さんのマーマレード食べ比べ企画
終了のご報告です。
たくさんの方に来ていただき、また楽しんでいただけたようで嬉しいです。何より、店主が楽しかったので大成功です!
今回の試食企画にご賛同いただきました、
・えなみ農園さま
・MARMALADE OBASANさま
・orangelecuraさま
・Papa's jamさま
ありがとうございました!これからもマーマレード、ジャム煮の繋がりを大事にいたしたく、よろしくお願いいたします!
さて、今回いちばんの反省は……
写真をぜんぜん撮ってないこと!
ぜんっぜん撮ってない!!
上の写真をスマホで撮ったくらいしかなくてびっくり!写真係というか、参加者のみなさんに雰囲気の写真も撮ってもらうようにお願いしておけばよかった…
写真撮ることに頭が回らないくらいわたわたしていたというか、案外ずっと何かしてた。じつは、どうせ時間を持て余すだろうからと、「ジャム煮ライブ」(現地でジャムを煮る)ができるような一式を持参していたのだけど、全く登場の余地無し。
ただ、「忙しかった」うちの半分以上は参加者の方とのお話の時間だったので、正直言ってそれで良かったなと思っている。初めてお会いした方、すごくお久しぶりな方、地元でお世話になっている方、マーマレード仲間。いろんな人が集まってマーマレードの話ができたという、なんというか店主の求めていたものがちょっとは叶えられた、良いイベントであった。
参加者のみなさまには「ひとくちにマーマレードって言ってもこんなに広い世界があるのか」と感じていただけたなら嬉しいです。
そして、作って販売もいいのだけど、まさにこういうことを発展させていきたい、という気持ちが強くある。
ジャムやマーマレードは、まだまだ侮られている。別に当店のジャムじゃなくていいので、世界に美味しいジャムがあること、その美味しさを知ってほしい。
ということで来年も気が向いたらやります!
2023-05-14-Sun
(お知らせあります!最後まで読んでね!)
今日はなんの日?
そう、マーマレードの日!
そして、第5回ダルメイン世界マーマレードアワード日本大会の結果発表の日。
マーマレードアワードの概要については以前簡単に書いたとおり。
日本大会も第5回となる今年は、過去最高の1987品の応募があったとのこと。ひとりあたりの出品数が増えてるんじゃないか?という疑い(別に疑う必要はないが)もあったが、過去の実績まで調べてみると・・・
- 第1回 1614品(プロ341+アマ1273)/712人(プロ148+アマ564)
- 第2回 1276品/549人(中止につき詳細発表なし)
- 第3回 1421品(プロ344+アマ1077)/595人(プロ119+アマ476)
- 第4回 1641品(プロ391+アマ1250)/628人(プロ135+アマ493)
- 第5回 1987品(プロ499+アマ1488)/708人(プロ157+アマ551)
第1回の数がやたら多いのはキャンペーン展開が大きかったことによるとして、ここ3回は全ての数で単調増加してる。応募者あたりの出品数についても大きな変化はない。つまり、単純にイベントとして発展している…!
みかんしかない地方の一自治体(失礼…だけど実際に八幡浜市へ行ってみての感想は「みかんしかない」)の地域おこしイベントとしては、とても安定感がある。しかも、ここ3回は全国的な宣伝もあまりされていない(おそらく県内規模程度の宣伝で応募数としてはイベント規模に照らして十分で、逆にあまり広げすぎるとキャパシティが追いつかないのだろうと推察)のに。それだけジャム煮の裾野は広く、そしていままで隠れていたのだろう。
さて結果。
マーマレードアワード日本大会公式サイトのこちらのページ…
…から、「第5回プロ受賞者」のPDFリンクをクリックすると…
まず目に入るのが3つのカテゴリーでそれぞれひとつずつ選ばれる「ベストカテゴリー賞」で、ここには……ない!
そして金賞が並ぶページをめくっていく…
……っ!!あった!!
ありましたよ、金賞の最後のページ、6ページ目に「ジャムびより」の文字!よかったー!!
「ライム&ブラムリー&ラムレーズンマーマレード」
金賞いただきました!!!
このマーマレード、最初は思いつきで作ったレシピなのだけど、各方面ですごく評判がよく、それが「プロとして」「プロの審査員に」認めていただけたのがとても感慨深い。また、アルコール入りの「Festinoシリーズ」筆頭でもあり、コラボしたアンサンブル・フェスティーノさんにも良いご報告ができて嬉しいです!
アンサンブル・フェスティーノさんからもお祝いコメント頂きました↓
コラボして下さってるジャムびよりさんのフェスティーノシリーズのジャムが金賞とのこと!フェスティーノが金賞(違う) 🏅受賞作のライム&ブラムリー&ラムレーズンマーマレードほんっとうに美味しいのでぜひご賞味ください! https://t.co/4Au1ocWMLE
— アンサンブル・フェスティーノ (@EnsembleFestino) 2023年5月14日
なお今回ジャムびよりから出品したのは6品で、その他の結果は下記のとおり。
【銀賞】
・ゆず&ライムマーマレード
・ダイダイ&文旦&レモンマーマレード
・ダイダイ&ゆずマーマレード
【銅賞】
・レモン&キウイマーマレード
とまあ、全て入賞!ありがとうございます!ありがてえ!
しかしながら、正直申し上げるとどれもこれも美味しいので全部金賞では?と思っていたのに!という悔しさもなくはない。金賞の壁は厚い。
それぞれのマーマレードの製造記録をぶら下げておきますので、ぜひ読んでみてください。
・ライム&ブラムリー&ラムレーズンマーマレード
(一昨年の誰かのジャム煮ブログもせっかくなのでリンク貼っとく↓)
(こちらのブログはわりと詳細なことまで赤裸々に書かれているのでお恥ずかしいというか、ここまで書いていいの?みたいなところがあるので、あんまり大きな声ではおすすめできないんですが・・・)
・ゆず&ライムマーマレード
・ダイダイ&文旦&レモンマーマレード
・ダイダイ&ゆずマーマレード
・レモン&キウイマーマレード
そういえば「作ったけど出品しなかったマーマレード」もあるけど、これはプロ部門の出品料がやや高いのと、発送に使った段ボール箱に入り切らな買ったので種類を厳選した結果です。ダイダイ&ルバーブとかは味がすごく良いと思ってる。
ところで、めでたく金賞受賞した記念に、試食販売会をやります!
今回ジャムびよりが出品したマーマレードその他ジャムを試食できて現地購入できる、案外貴重な機会。
■ 日時:2023/5/28(日)15:30〜17:00頃
■ 会場:大人の秘密基地arcoiris(東武東上線or東京メトロ「和光市」駅から徒歩5分)
直接来ていただければ、ジャムの試食と購入ができます!
会場のアルコイリスさんは昨年末から委託販売をお願いしている地元のカフェで、レンタルスペースもされているということで今回お願いしました。
そして、ここからが【重要なお知らせ】なんですが、せっかく場所と時間を取ったのでなにかもっと面白いことができないかと思い、
『マーマレードアワード金賞受賞歴のある他店様のマーマレードをお取り寄せして食べ比べ』
という企画をやります!
こちらは、何しろマーマレードお取り寄せするので有料の1000円いただきますが、ぶっちゃけどれも1本1000円以上するマーマレードなので、お得しかない!さらに中学生以下無料!ご家族でどうぞ!なんとアルコイリスさんのスコーンも付きます!ジャムびより店主の解説もつけます!
人数がいっぱいでなければ当日でも受付できますが、準備の都合もあるので予約が大変ありがたいです!
↓↓↓
カッコつけて予約サイト用意しましたが、各種SNSなどで直接メッセージいただいても構いません。
15:30〜17:00頃の間でいつ来ていつ帰っていただいても構いませんし、ジャムを買わなくても大丈夫。とにかくマーマレードの世界の広さと深さを感じて帰っていただければ。
気になるマーマレードのラインナップは、以下の通り、の予定。(ジャムびより以外のマーマレードは試食のみで、購入はできません)
①えなみ農園
「へだたちばなマーマレード」
「ブラッドオレンジマーマレード」
②orangelecura(オランジュルクラ)
「ライム&ゆずマーマレード」
「ゆず&桜マーマレード」
③MARMALADE OBASAN
「グランマルニエ香る清美オレンジマーマレード」
「ベルガモット香るパール柑マーマレード」
④Papa's jam
「甘夏マーマレード」
「河内晩柑マーマレード」
これは我ながら錚々たる面々!
えなみ農園さん、オランジュルクラさんは、本家英国マーマレードアワードで何度も金賞を受賞しているまさに世界レベルのマーマレードメーカー!
MARMALADE OBASANさんとPapa's jamさんは、え、どこかで見た?そう!今年の(去年も)日本大会で金賞受賞されています!どちらも比較的最近からジャムの販売を始められたお店で、勝手に親近感というかジャム友達感を抱いてお声を掛けさせていただきました。
これにジャムびよりの6種も加えたマーマレードアワード試食会。はっきり言って公式以外でこんな機会は、まずない。来年以降もやるかどうかは店主(わたし)の気力次第なので、もう一生ないかも。
たかがジャム、たかがマーマレードと思って侮るなかれ。ジャム観変わる体験になるはずです。まずはご予約!
2023-04-02-Sun
前回簡単に解説した「マーマレードアワード」の出品〆切が4月12日ということで、そろそろ送らなければならないのだけど、まだ作りたいマーマレードがある。当方、現状は土日祝しか作業できないので、発送準備の時間も考慮すると現実的には本日4月2日が最後のチャンス。いろいろ無理をすれば次週もいけるだろうが、いろいろ無理をできないお年頃なのである。マジで。
というわけで今回のラインナップ
・ダイダイ&文旦&レモンマーマレード
・いちご&ルバーブ
「まだ作りたいマーマレード」とは、ひとつはダイダイと文旦とレモンのスリーフルーツマーマレード。もうひとつは例の前回不発に終わった夏みかんマーマレードのリベンジ。まあ、マーマレードなら他にもいくらでもアイデアはあるのだけど、キリがないし、これが上手くできればある程度満足。
いちご&ルバーブは前回と同じものを追加製造。やっぱり美味しいので、今のうちに、いちごが手に入るうちに、たくさん作っておこうと思って。
・ダイダイ&文旦&レモンマーマレード
さて、これについては語りたいことがあまりに多い。ダイダイと文旦とレモンをまとめてマーマレードにしただけで、「別々に時間を変えて茹でる」といったこともしておらず、複雑なレシピではない。また、レモンも入っているのでじゅうぶんなペクチンを含み、固まりにくいといったこともない。国産品も手に入りやすく、つまり、難しさが無い。
しかし、語りたいことだけはたくさんある。柑橘の分類、レシピの来歴と展開、マーマレードアワードそしてマーマレードという文化…
(ここはグッと堪えて、あくまでも今日のジャム煮のことだけを…あっでも上で「スリーフルーツマーマレード」と口走ってしまったからにはその説明つまりイギリスのマーマレードのひとつのジャンルとして3種類の柑橘を使ったものがあってそれぞれの家庭にそれぞれのレシピがあってひとつの文化を作っているらしいのだけどそもそも3種の柑橘を混ぜるとなぜか大抵の組み合わせで美味しくなるというかバランスの良い風味に落ち着くこれは実際にいろいろ作ってみると実感…でもここで言いいたいのはそもそもこのレシピはダルメインの商品である「ジェーンズマーマレード」を食べた時の衝撃の再現という試みがもとで…それを言い出したらジェーンズマーマレードはセビルオレンジ&グレープフルーツ&レモンなのになぜダイダイ&文旦&レモンなのか柑橘の分類から説明が必要…いやそもそもセビルオレンジとはというところから始めなければというのもセビルオレンジで作るマーマレードは日本人の思うマーマレードとは全く異なりしかしその独特の風味はクラシックなスコーンとの相性が抜群でありそこには食文化というものを感じざるを得ずそれを国産の材料で代替するのは模倣ではなく日本のマーマレードの展開であるという壮大な話につながらないので…さすがにそこまで書くとキリがないからここはマーマレードアワードでの高評価を目指すためのこだわりポイントの紹介たとえばカットの方法や熱の加え方それにはまずマーマレードアワードの審査方法や審査員の紹介からそういえば審査員には本家イギリスのマーマレードアワードにも深く携わってる有名ベイカーもいるのでやはりイギリス留学マーマレードの和製アレンジというのはけっこうウケるんじゃないかという期待があったりしてそこには触れざるを得ないしでも過去の大会での審査講評でイギリス大会と日本大会では評価の方向性が異なるそれはやはりマーマレードを文化として捉えている部分からくるものと考えられしかも話題としてはとっつきやすいしかし結局のところ)
えっと、めっちゃキラキラに仕上がって満足です!(グッと堪えた顔)
前回の失敗についていろいろ検討して、リベンジ。これで成功したら良いな、という実験的な意味もある。
ジャム煮、実験すると実験しただけジャム瓶が積み上がるのが難点。それが失敗に終わると「販売はできないが食べられないわけではないジャム」を大量に抱え込むことになるから、我が家はジャムには困らない。いや常にジャム余りで困っている。
そして今回の夏みかんマーマレードチャレンジも、我が家の隅にジャムを積み上げただけで終わったわけです各方面に申し訳ありません。
敗因は、余計な拘り、ですかね…。
マーマレードアワードには出しませんが、あらためてちゃんとできるレシピで作って販売できたら、と思っております。
・いちご&ルバーブ
前回と同じレシピで、同じように美味しく仕上がった。
「いちごジャムはもちろんわかるけど、ルバーブ?とは?」と疑問で、なんとなく避けてしまう気持ち、わかります。でも、このジャムは「なんだか美味しいいちごジャム」というノリで召し上がっていただけるのでご心配には及ばない。その証拠に、我が家では小学生と未就学児が「いちごジャム」と言ってモリモリ食べてる。子供、ちょっとクセのある風味のジャムとかぜんぜん食べないので、間違いない。
いちごとルバーブが半々だと、いちごの風味がメインに仕上がる。でも、ちゃんと味わえば、ただのいちごジャムとの違いはすぐにわかる。クセは少ないが香りが良く色も良い赤ルバーブを使い、さらに仕上げにキルシュ(さくらんぼのリキュール)を加えていることで、口に入れた時の風味の広がり、奥行きが違う。(※キルシュを加えたあとじゅうぶん煮立ててアルコールを飛ばしてあります。)
こんなふうに食パンにたくさん載せて食べても美味しいけど、香り良いから少しずつ舐めても楽しめる。
バニラアイス(チョコアイスでも)にかけるとか、クラッカーにチーズと一緒に乗せるとか、何にでも使えて夢が広がる!
2023-03-19-Sun
2ヶ月も空いてしまいまして、久しぶりのジャム製造日はもう完全に春。
ジャム煮文脈で「春」というと、やはりいちご。というか、いちご以外に「春っぽい」ものは案外少ない。もちろん青果売場に行けばキウイやらりんごやら買えるのだけど、春っぽくなくない?
春っぽい、すなわち春が旬、つまり3〜4月に収穫される材料というと、いちごのほかに思いつくのは結局柑橘類で、マーマレードである。だからマーマレードアワードの応募期間も3〜4月になってる。
というわけで今日のメニュー
・ルバーブ&いちご
旬がどうとか言いながら、ルバーブは冷凍だし柑橘類は冬に狩って保存してあるやつですが、冷凍でも遜色ないのがルバーブの良いところだし、ちゃんと保存しておくとちゃんと鮮度を保ってくれるのが柑橘の良いところなのでご勘弁ください。(皮が柔らかいタイプの柑橘の保存は難しいです。するなら冷凍。)
・いちご&ルバーブ
いちごは栃木県産とちおとめ、ルバーブは長野県産の真っ赤なルバーブを冷凍保存しておいたもの。
いちご&ルバーブは絶対美味しいのに旬がまったく被らないので作りにくいレシピ。いちごが終わった頃にルバーブが出始め、冬にハウスもののいちごが出てくるのもルバーブが終わってから。そういう意味では「自然」なレシピではないかもしれないが、とにかく美味しいので、毎年これがやるためにルバーブを冷凍してる。
材料をミックスするレシピは、その比率で味わいが変わるところに、難しさというか拘りが生まれる。しかし、いちごとルバーブに関してはどんな比率で混ぜてもその比率の美味しさがあるという、つまり誰が作っても美味しいという、ジャム屋殺しなカップリングである。いちルバしか勝たん。
ということで、考えても仕方ない、もとい店主なりの拘りをもって、いちごルバーブ比は1対1とする。いちごの甘味とルバーブの酸味、そして双方の豊かな香りの広がりをじゅうぶんに堪能できる。そしてさらに風味に奥行きを持たせるため、キルシュを加えて煮立てる。
子供も大人もスプーンでそのまま舐めたくなる逸品!
・ダイダイ&レモン&ルバーブ
こちらのルバーブも長野県産で冷凍しておいたものなのだけど、グリーンに赤が混ざったもので、使いどころを考えあぐねていた。グリーンと赤が混ざったまま煮ると、茶色っぽい微妙な色になるので…
黄色〜橙色のマーマレードであれば色もそれなりに馴染むかとの思い付きで、ダイダイとレモンのマーマレードにこのルバーブを混ぜることに。以前に文旦系の柑橘にルバーブを混ぜたマーマレードを試作して美味しかったのと、毎年作る「ダイダイ&グレープフルーツ&レモンマーマレード」のグレフルの代わりにルバーブを使うと思えば、味は間違いなく美味しいはず。
ダイダイは山口県周防大島産、レモンは広島県産の、どちらも有機無農薬を使用。
基本的にはダイダイとレモンのマーマレードを作るところに、途中でルバーブを加えるだけ。ただ、ルバーブ加えるとトロトロになりすぎて煮詰めるのが難しくなるので、別に柔らかくして潰してからマーマレードに加えるなど、工程が若干複雑にはなる。
そしてやっぱり微妙な色にはなったが、その見た目と「ダイダイ、レモン、ルバーブ」の初見には「?」な字面とは裏腹に、なんともまとまった風味に。酸味がハッキリとしつつも、ダイダイとレモンのピールの香りとほのかな苦味があとを引き、それらを支えるしっかりした甘味にも嫌らしさはない。要するに美味しいです。
見た目は微妙だけど、ダイダイと、レモンと、ルバーブが入ってるよ、ということがよく見えるし、適度なネットリ感は何にでも使いやすい。ルバーブの繊維とやや厚めに刻んだ柑橘のピールの歯触りもちょうど良いアクセントである。
こちら都内産の無農薬!
丁寧に刻んで…
…えー、ちょっとですね、これ、失敗です…。
ぜんぜんきれいに固まらなかった。マーマレードなんもわからん。
とは言いつつ、原因はいくつか考えられるので、そして夏みかんはまだたくさんあるので、修正しつつ次回再チャレンジします。夏みかんマーマレードはぜひ召し上がっていただきたいので。
あと、数日置いておくときちんと固まることもあるので、ちょっと様子見…
ところで、冒頭で触れた「マーマレードアワード」という言葉に、何のこと?と疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思うので、以下で解説しておきます。
ここで言うマーマレードアワードとは、正式には
「ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会」
という、マーマレードのコンテストとお祭りで、愛媛県の八幡浜市で開催されている。
「ダルメイン」は英国の湖水地方にあるヘーゼル家が治める領地を指し、そこで毎年開かれる「世界マーマレードアワード&フェスティバル」が、「日本大会」に対する「本家」にあたる。八幡浜市が日本大会を誘致して、今年で5回目。毎年1000品を超える応募があり、界隈は盛り上がりを見せている。
本家英国大会のほうはさぞかし歴史あるマーマレードの品評会、と思いきや、始まったのは2005年からで、言ってしまえばこちらも英国の片田舎の町おこしイベントである。しかも、ダルメインという土地が特別にマーマレードに縁が強いかというと、実のところそういうわけでもないらしい。もちろん古き良き英国貴族のことなので、マーマレードの手作りはするし「ヘーゼル家に古くから伝わるレシピ」なんかもあり、それが大会発足の足掛かりになったのは確か。だけど、柑橘の生産が盛んとかマーマレード発祥の地であるとかマーマレード消費量世界一であるとかでは、ない。発想と行動の勝利である。まあ、事業としてどれくらいの収益があるのかはわからないが(あるいは当主としてはそんなものは不要で、観光客が周辺地域にお金を落としていくことの方が重要なのかも)、毎年3000点以上のマーマレードの応募があるらしいので、イベントとしては大成功を収めている。
日本大会の方も、一般の知名度はゼロに近いがジャム煮界隈ではかなりメジャーになりつつあり、今後の益々のご発展をお祈りするばかり。
で、店主はこのマーマレードアワード日本大会の「アマチュア部門」に第1回から毎年出品して、そこそこの賞をいただいたりしていたのだけど、販売を始めてしまったからには今年は出すなら「プロ部門」ですね。アマチュアに比べると出品料が高いのでアレもコレもではなく厳選するか、しかし経験的には自己評価はアテにならないので、難しいところ。また、出品には2本送付、さらに予備を待っておきたいので、その分は販売できないというのが地味にコスト。そして「コストをかけて出品したのに評価がそんなに高くない」というリスクが、プロにはありますよね…。
しかしまあ、当店のことなので、そんな評価もネタとしてこのブログに書けばいいか!何卒お楽しみに!