今日はジャムびより

今日という日に添えるジャムを。

2022-07-30-Sat

今日は試作の日。

 

まずはトマト。

世の中にはトマトジャム、というのもたくさんあるのだけど、わたしはトマトジャムは作らない。なぜなら、トマトの生食が大好きだから。

自家栽培トマトとかブランドのフルーツトマトを使うわけでもないので、トマトをジャムにする理由が、わたしにはあんまり無い。

じゃあこのトマトはなんなのかというと、トマトケチャップである。けっこう手作りジャム界隈ではケチャップ作ってる人が多くて、一度やってみたかったんだよね〜。

トマトケチャップのレシピを調べると、けっこういろいろあるというか、トマトを煮詰めて酢と砂糖とスパイスハーブを入れて塩で味を整えればだいたいケチャップになるっぽい。

意外に思ったのは、塩がそれほど多くは入ってなくて、基本は酸味と甘味でできてる。言われてみるとそうか…でも調味料として塩分がもっと多いと思ってたよ。

ふつうのケチャップ作っても仕方ないので(ふつうのケチャップならふつうに買った方が美味しいと思うので)せっかくなのでジャム屋らしく、フルーツを使ってみようと思い立ち、酸味は酢の代わりにすもも(サマーエンジェル)、甘味は砂糖の代わりに夏みかんマーマレードを、適当に入れてみた。

スパイスハーブ類は、「フルーツの風味を活かす」を言い訳に、オレガノとシナモンパウダーだけ(手元にこれしかなかったので)。

だいたいぜんぶ入れて煮詰めて、フードプロセッサでペーストにして裏漉ししてさらに煮詰める。

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煮詰めるだけでケチャップ的なドロドロになるのか?と疑問だったのだけど、なったわ。まさにケチャップ。そしてめっちゃ嵩が減った。トマト2個とすもも2個と玉ねぎ半分くらいがコレ1瓶に。「ケチャップは野菜」と言いたくなる気持ちを完全に理解した。

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味は…なんとまあ爽やかな酸味と、あと引く不思議な苦味…は、マーマレードだな。これはこれで、ジャム屋のケチャップとして良いのでは。しかしこのフルーティさを残しつつ、もっとスパイスを工夫したい気持ちはある。

ただ、ケチャップはジャムと製法がまったく違って糖度がそれほど高くないので、保存等においてジャムと同じ条件とはできないと思うので、商品としてケチャップを販売するのは、しばらくは難しいかも。

美味しくできたら、どこかお店で使ってもらうとかはできるかな〜。

 

さて、もうひとつ試作は、パッションフルーツを使ったジャム。

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鹿児島県産のパッションフルーツ、最近店頭でよく見かけますよね。流行り?

というか、わたし、パッションフルーツのことをぜんぜん知らない。なんか南国の、ゴキゲンな香りのするフルーツ、くらいの認識しかない。パッションフルーツジャムが売られてるのはけっこう見かけるのだけど、スルーしてきた人生だったので…。

ということで、パッションフルーツについてネットでポチポチ調べてみる。

植物分類としてはトケイソウ科。30属1000種を含む科らしいけど、パッションフルーツ以外あまり関わりがなさそう。トケイソウの花は観賞用としても栽培されるとのことで、なかなかエキセントリックな形状をしている。

で、このトケイソウの英名がPassion flowerで、その木(の一種)に成る実だからPassion fruitなんだけど、このPassionという言葉は花の形に由来している。

花の一部分にある十字の形を、キリストが張り付けになった十字架に見立てたのです。葉はユダがキリストを売った時に得た30枚の銀貨を、雄しべ5本はキリストが受けた5つの傷を、巻きひげはムチを、3本の柱頭は釘を、脂肪柱は十字架を、5枚ずつある花弁とガクは合わせて10人の使徒を、それぞれ象徴しているそうです。(丸果石川中央青果ウェブサイトより http://www.maruka-ishikawa.co.jp/fruits/items005/passionfruit.htm

つまりPassionは「受難」の意味。

ええ〜!パッションフルーツ、情熱の果実じゃないんですか。そうですか…。

気を取り直して、国内の産地は、半数以上の出荷数を占める鹿児島県を筆頭に、沖縄、東京(小笠原)、千葉、岐阜。岐阜?!亜熱帯的気候の地域に並んでなんで岐阜?

https://www.sekimugi-passion.com

これか。気になる〜。

食べ方は、半分に切って中身をスプーンでほじくるのが一般的。買ってすぐでも食べられるけど、外果皮がシワシワになるくらいまで追熟させると酸味が抜ける。種は、飲み込んでしまえ説、ポリポリ食べる説、濾す説などいろいろ。ちょっと食べてみたところ、ポリポリ食べ…られるけど、けっこうポリポリするなという印象。ジャムにしたときの食感としてはどうなんだろう。

売られているパッションフルーツジャムは、けっこう種入りが多い。パッションフルーツのイメージを押し出そうと思うとそうなるということか。

さて、ジャムにするにあたって、今回はパッションフルーツ単独ではなく、ゴールドキウイとのミックスにする。なんとなく、美味しそうだから。

というのと、パッションフルーツ、果実の大きさの割に量がぜんぜん取れないので、「パッションフルーツ100%ジャム」をたくさん作ろうと思うとけっこう大変なことになりそう。一方で少量でもパッションフルーツの香りは強力なので、ミックスしてもパッションは失われないはず。

実際、パッションフルーツ2個とゴールドキウイ大玉2個使ったら、果肉の重量は1:4くらいで、しかし香りはしっかり感じる。

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はじめから水分が多いのでそのまま火にかけて煮立て、グラニュー糖(当初重量の60%)を2回に分けて加えて煮詰めたらできあがり。

そんなに強く煮詰めたつもりはないけど、糖度測ったら60を超えてしまっていた。もともとの果物の糖度が高かったのかな。わりとゆるい仕上がりなので、砂糖減らしてもう少し煮詰める感じでも良いかも。

味も良い、というか、風味としては予想通り。20%でもバリバリのパッションを感じるし、ゴールドキウイがそれをバッチリ受け止めている。このゴキゲンな感じにはやはりテキーラでは、ということで、テキーラを一緒に詰めた瓶も作ってみたりした。少し寝かせてから開封してみよう。

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ところで、パッションフルーツの種はやっぱりだいぶボリボリする…良し悪しは好みだろうけど、わたしの好みではないかな…見た目は悪くない、というか間違いなくパッションを感じるのだけど。次作るなら裏ごししようかなあ。

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